こくぶん研究室

生徒・学生さんへのメッセージ

今すぐ作り始めよう

「アプリを作ってみたい」「ゲームを作ってみたい」「CG アニメを作ってみたい」「Web サイトを作ってみたい」と思う生徒・学生さんは多いことでしょう。アプリ・ゲーム・CG・Web サイトなどを作るには、難しい専門知識やスキルが必要だろうから、勉強して、「いつか」作ってみたいと思うことでしょう。

「いつか」ではなく「今すぐ」始めましょう! 今では、パソコンが1台あれば、なんでも無料で始められます。

アプリなら例えば、AppInventor というサイトを使うと、スマホアプリを簡単に作ることができます(Android 限定ですが)。特別なプログラミング言語を学ぶ必要もなく、マウスを使ってブロックを組み合わせる感覚でアプリができてしまいます。

ゲームなら例えば、Unity というソフトウェアを使うと、2D でも 3D でも、プロ並みの本格的なゲームを作ることができます。凝ったことをするには C# や JavaScript というプログラミング言語が必要になりますが、公開されている部品を組み合わせるだけでも、かなりすごいゲームができてしまいます。

CG アニメなら例えば、Blender というソフトウェアを使うと、プロ顔負けの CG アニメを作ることができます。なにせ Blender はもともと、とある CG 会社で使われていたプロ用のソフトウェアが、無料で配布されているのです。

Web サイトなら例えば、Visual Studio Code といったソフトウェアや、Windows のパソコンにはじめから入っている「メモ帳」を使って作ることができます。実はこの Web サイト自体も、Visual Studio Code で作っています。

紹介したサイトやソフトウェアは全て無料です。生徒・学生の皆さんでも、本当に今すぐ始められるのです!

▲TOP

情報は買おう

いくらサイトやソフトウェアが無料でも、実際にアプリ・ゲーム・CG・Web サイトなどを作るには、やはり少しの知識やトレーニングは必要です。では、どうやったらトレーニングできるでしょう? おそらく多くの皆さんは、まずはネットで検索してみることでしょう。「AppInventor 使い方」や「Blender CG 作り方」のようなキーワードで...

でも、絶対オススメするのは、書籍を買うことです。しかも、実際に大きな書店で手にとって、中身をざっと眺めて、自分のやりたいことやフィーリングにあう、できるだけ発行年の新しい書籍を買うことです。近くに大きな書店がなければ、できるだけ評判の良い書籍を Amazon などで買いましょう。

ネットにある情報というのは、断片的なことがほとんどです。本当の入門の入門まではできても、その後少し応用しようとすると、情報が見当たらなくなったりします。また、図書館で借りるのも、発行年が古いことがあるのでオススメしません。アプリ・ゲーム・CG・Webサイトなどを作るソフトウェアはバージョンアップがとても早いため、古い書籍では役に立たないことがよくあります。

書籍を買ってきたら、とにかくその中身をひととおり、諦めずにやってみましょう。わからない部分は補足的にネットで調べましょう。ひととおりやってみたら、自分なりにアレンジしてみましょう。書籍の内容がほぼOKとなったら、また次の一冊を探してみましょう。

こういった書籍は数千円することが多く、高価だと感じるかもしれません。ネットで済ませたくなるかもしれません。でも、お金を出して買う価値があるから、書籍として売られているのです。ネット上には、本当に大事な情報は無いのです。情報にはしっかりお金をかけて学びましょう。

▲TOP

数学と英語

プログラミングや CG 制作を始めると、数字や数式が出てきて戸惑うこともあるでしょう。やっぱり数学が得意じゃないとできないと思うかもしれません。また、プログラミング言語は英語のように見えますし、わからないことをネットで調べたら英語のページばかりで、立ち止まってしまうかもしれません。

でも、絶対に大丈夫です!!

もちろん、ゲームや CG アニメーション制作に数学は欠かせません。例えばキャラクターがジャンプしたり、弾が飛んでいったり、ボールが弾んだり、アイテムが回転したり... すべて計算で動いています。でも実は、高度な数学を知っている必要はありません。ゲームでよく使われる数学は限られています。中学や高校の基礎レベルの数学をしっかりやっておけば、あとは、実際にゲームや CG アニメーションを作りながら、必要な数学を必要な時に勉強すればいいのです。

プログラミングは、英語がわからなくても、「そういう決まり/書き方」と思って作っているうちに自然に身についてしまうので、大丈夫です。また、ネットの情報が英語だらけだったとしても、Google 翻訳のような便利なサイトで簡単に翻訳してくれます。また、プログラミングなどの技術的な英語は、文学作品のような難しい単語や言い回しは使わておらず、慣れてくると意外に読めるようになるものです。

数学も英語も「勉強する必要があると感じたものをその時に勉強する」という方式で行きましょう。ただ、中学・高校でしっかり学んでおけば、もちろん有利です。数学や英語の授業で「いったいこんなことを勉強して何の役に立つの?」と思って過ごしている生徒・学生さんは多いかもしれません。でも、皆さんの暮らしを楽しくしているアプリ・ゲーム・CG・Web サイトなどを「作る」ために、必ず役に立ちます。

▲TOP

何のために大学に行く?

無料のソフトウェアですぐに作り始めよう、情報は自分で書籍を買って手に入れよう、数学や英語も中学・高校で頑張ろう... ものづくりの知識やスキルは、教えられるよりも、進んで自分で学ぶのが一番なのです。もちろん大学にはプログラミングや CG 制作のスキルを身につけるための授業があります。でも、授業という短い時間の中でできることは限られています。大学に通うだけではプロになるためのスキルは身につかないのです。では、大学の情報系の学部で学ぶ意義は何でしょう?

大学では、何をどのように作るべきかを考え・決めるための知識やスキルを学びます。言い換えると、プロデューサーとしての能力です。

例えば、プログラミングのスキルがバリバリに高くて、とても美麗な CG キャラクターを作るスキルがあったとしても、できあがったゲームがいわゆる「クソゲー」では、商売になりません。いっぽうで、プログラミングとしては大したことをしておらず、CG もちょっと下手っぴだけれども、内容が面白くて、工夫されていて、ターゲットにしたお客様の心をつかむことができれば、ヒット商品になります。

大学では、お客様はどんなものに興味・関心があって、何を欲していて、何に困っていて、そのためには、どんな商品やサービスを、どのように提供すればいいか、という問題を扱います。つまり、お客様(人)のニーズや気持ちを測ったり分析したりして、そのお客様にとって最適な商品やサービスを考える(企画・開発する)ためのスキルを学ぶのです。

そして、ではそのような商品やサービスを実現するためには、どんなプログラミングや CG の技法が必要か? 具体的にどう作るか? を考えます。また、従来にない新しいプログラミング技法を編み出したり、新しい CG 表現技法を考え出したりするのが、大学なのです。だから、プログラミングや CG 制作の基礎はキホン自分で学ぶ、大学ではそれを実際のものづくりに応用する、と考えておきましょう。

▲TOP